埼玉いのちの電話 事務局長インタビュー②

電話相談の始まりと、その活動について

もともと自殺防止を目的とした電話相談は、1953年にイギリスではじまりました。

現在のイギリスでは、「サマリタンズ(Samaritans)」という団体による活動が定着しており、約20,000人のボランティアが365日24時間電話を受けています(年間約360万件)。

日本では、ドイツの宣教師(ルツ・ヘッドカンプ)による呼びかけにより、1971年に「いのちの電話」としてスタートしました。

活動は全国に広がって現在では50以上の拠点ができ、行政とも連携して活動をしています。

「相談」とはいうものの、電話をかけてこられた方の悩みについて、問題解決を目指したり、セラピーのように治療を行ったりするものではありません。

行うのは、「聴くこと」。

「電話をかけてきた方(かけ手)が8~9割話すことが理想的で、相談員自身が話すことに時間を費やしてしまったり悩みについて回答してしまったりすることは、基本はNG。

かけ手が話すことで、自分自身の気持や考えに気づいたとき、相談員はその気持ちや考えをサポートしてあげる。」(*1)

これが相談員の役割だそうです。

問題解決やカウンセリングは、行政やその道の専門家が行うこととして線引きがされているのでしょう。

そのため相談員に求められるのは、自分の主観や知識や経験からアドバイスをしようとするのではなく、あくまでも「かけ手」の意思や気持ちを尊重する「傾聴」という行為です。

「相づちを打つだけで十分なこともあります。その人にとっては言いたいことを言えるだけでも充分という場合もありますから。相手の言うことを受け止める。励まさない。」(*2)

「いたずらに、励ましたり、慰めたりしないこと、特に「頑張って」、「誰でもそう、あなただけではない」、などの言葉は、不安の中にある方々への労りと言うより落込ませるかも知れません。」(*3)

中には、深刻な悩みを話される方や、切迫した電話をかけてこられる方もいるでしょう。

「聴く」というのは、文字通りではなく、かけ手の感情を受け止める行為でもあります。

相談員自身の心理的な面においても、相当にハードであろうことが想像されます。

(*1)埼玉いのちの電話内藤事務局長インタビューより

(*2)【シゴトを知ろう】いのちの電話相談員 ~番外編~ | 進路のミカタニュース (mynavi.jp)

(*3)視点シリーズ18 電話相談~その歴史と独自性~ | 社会福祉法人 福島いのちの電話 (fukushima-inochi.com)